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「スマートマネー」が示すお金の動き【コラム】 | サラリーマン力向上まとめサイト
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「スマートマネー」が示すお金の動き【コラム】

暗号資産(仮想通貨)業界で最もスマートなのは誰だろう? そうした人たちは資本をどのように使っているのだろうか?

「スマートマネー」とは、正確な定義ではないが、ある種の投資家やトレーダーを示す言葉で、多くの場合、潤沢な資本を使えるというシンプルな理由で取引を優位する進める投資家やトレーダーを指す。

多くの資本を持った人たちは、多くのリソースを持ち、それゆえ、多くの損失に耐えることができる。そのため、より小規模な(小口)投資家は「スマートマネー」のお金の使い方、つまり投資先を知りたがる。

とはいえ、「スマートマネー」はいつもスマートとは限らないようだ。

1998年、博士号取得者たちを経営陣としたロング・ターム・キャピタル(Long Term Capital)は、過剰なレバレッジとお粗末なトレーディングによって、36億ドルの救済を必要とした。

それから10年後の2008年の金融危機でも、業界で最もスマートな人たちがトレーディングの損失を埋め合わせるために、連邦政府からの助けを必要とした。

さらに暗号資産の世界では昨年、FTX、アラメダ・リサーチ、スリー・アローズ・キャピタルなど破綻し、業界で最もスマートとされる人たちが壊滅的なミスを犯したことを示した。

スマートマネーに注目する意義

ならば「スマートマネー」の動向を参考にする意味はあるのだろうか?

間違いなくイエスだ。自身の全体的な投資テーマは自分で決めるべきだが、資本がどのように動いているかを観察することは有益な情報となる。完全な詐欺は例外として、スマートマネーの動き(いわゆる、大口のキャピタルフロー)をチェックすることは常に意味がある。

しっかりとした投資テーマを持っていても、結果が振るわないことはあり得る。予想外の出来事で状況が変わるかもしれない。それでも重要なことは、大口投資家がその存在だけでどれくらい市場を動かし得るかという点だ。

大型の豪華客船のように、大口のキャピタルフローはたとえ氷山に向かっているときでも、しばしば多くを道連れにする。事前に舶が向かう方向を見極めることで、災難に直面する可能性がどれくらいあるのか、救命胴衣がどれくらい必要かを判断するヒントになる。

クジラの動き

暗号資産の世界では、多くのオンラインツールがお金の動きについてリアルタイム情報を提供する。こうしたツールは、暗号資産に特有の優れた特徴だ。

資産によってツールはさまざまだ。ビットコイン(BTC)の場合、選択肢の1つは「クジラのアクティビティ」。クジラとは、1000BTC以上を保有するユニークウォレットアドレスを言う。

1000というのは恣意的な数字のようにも思えるが、現在、その価値は約2800万ドル、ピーク時には7000万ドル近かったことを考えると、何らかの投資の指標とするには十分だろう。

特に注目に値するのは、ここ2年間におけるクジラの減少だ。

ビットコインクジラ数
出典:Sage Young/CoinDesk

2021年2月に2157でピークに達した後、クジラの数は22%減少。またビットコインは同時期に41%下落した。

クジラがどこにコインを移動させているかも注目に値する。クジラは取引所にコインを移動させているのか? それとも取引所からコインをどこかに移動させているのか? 一般的に言って、前者は弱気、後者は強気センチメントを示す。

最近ではビットコインは取引所へと移動している。クジラから取引所への純流入は2022年10月以降、プラスとなっている。

これら2つの指標は、大口投資家が慎重になっていることを示している。クジラの数は少なくなり、まだいるクジラはビットコインを売却する準備を整えている。クジラの判断は間違っている可能性があるが、クジラが何をしているかは知っておく価値がある。

アルトコインにおけるスマートマネーの動向

イーサリアム(ETH)やその他のアルトコインのツールは、さらなる情報を提供してくれる。ナンセン(Nansen)やアーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)などのプラットフォームは、資本と投資行動に基づいてウォレットを「スマートマネー」に分類しており、アクティビティをリアルタイムで確認できる。

この30日間で「スマートマネー」ウォレットに大規模に流入した3つの暗号資産は、ステークドイーサリアム(stETH)、アーベ(Aave)が手がける利子付きUSDT、バイナンスUSD(BUSD)だ。

スマートマネーが保有するstETH(黄)とスマートマネーウォレットの数(橙)
出典:Sage Young/CoinDesk

クジラの資産を個別に見てみると、最も多く保有している暗号資産がユニスワップ(Uniswap)のガバナンストークンUNIであるクジラが1ついる。これは他のクジラとは異なっている。

さらに細かく見ると、同クジラがUNIを手にいれたのは1年以上前。それ以降、オンチェーン・アクティビティはほとんどない。2年前のUNIの価格は32ドルだったが、現在は6ドル。

これだけ下落しても資産を保有し続けるということは、保有者がコイン自体に長期的な信念を持っているか、ユニスワップのガバナンスに参加することを望んでいるか、UNIが上昇すれば損切りするかもしれないことを示している。

投資判断の質を高める

スマートマネーをチェックすることで、明確な答えは簡単には得られないかもしれないが、投資家は少なくとも可能性をチェックすることができ、情報に基づいた決断を下すことができるようになる。

他に特筆すべき最近のスマートマネーの動きは以下の通り。

  • 大口ウォレットが取引所からラップドイーサ(WETH)を取り出し、一方でテザー(USDT)とチェーンリンク(LINK)、ラップドビットコイン(WBTC)を預け入れた。
  • ここ7日間で、スマートマネーウォレットが保有するステーブルコインのUSDコイン(USDC)とUSDTはそれぞれ4%、27%減少。同期間にスマートマネーウォレットが保有するWETHは12%増加した。
  • クジラから取引所へのビットコインの純流入はプラスだが、2月以降減少傾向にある。

スマートマネーの動きを特定、分析することには何時間もかかる可能性があり、1つの記事で完全に網羅することはできない。しかし、時間をとって分析を行う投資家は、暗号資産リサーチの質を高めることができるだろう。

伝統的金融(TradFi)の世界にたとえて言えば、ヘッジファンドの株式ポジションに関する報告書のリアルタイムストリーミングのようなものだ。見続けることは難しいが、目をそらすことも難しい。

投資判断が利益につながるかどうかは別として、投資を最初に始めた時のことを考えることは有益だ。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/178572/ 

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Source: Ripple(リップル)仮想通貨情報局

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