新型コロナウイルスの感染拡大が続く日本列島は11日、緊急事態宣言が発令されて初の週末を迎えた。対象となった7都府県を中心に外出自粛の動きはさらに強まり、各地の繁華街や観光名所は静まり返った。一方、7都府県の全店舗を休業とした大手スポーツジムのゴールドジムでは、首都圏1都3県から通常営業中の牛久茨城店(茨城県牛久市)に会員が多数来店する事態となった。
緊急事態宣言が発令されてから初めての週末。ゴールドジム牛久茨城店では明らかな“変化”が見て取れた。店舗スタッフは「普段は(1日に)150人ほどが来店しますが、今日は他県からさらに50人くらい。他県で営業をしていないということで、問い合わせも増えています」と休業要請の反動により利用者増となっていることを明かした。日課のように体を鍛えている筋トレ愛好家にとって、緊急事態宣言は衝撃だった。7日の宣言を受け、ゴールドジムだけでなくコナミスポーツクラブ、セントラルスポーツ、ルネサンスといった大手スポーツジムは、早々と対象7都府県でのゴールデンウイーク明けまでの休館を発表。ボディービルダー、格闘家ら会員が行き場を失った。
そこで一気にクローズアップされたのが、首都圏近郊で対象となっていない店。ゴールドジムでは牛久茨城店だった。JR牛久駅西口前にある大型商業施設「エスカード牛久店」の中にあり、東京駅からJR上野東京ラインでわずか1時間7分。アクセスの良さも利用客増につながった。新型コロナ対策として他店舗利用料1100円を徴収し、同時に施設が利用できる人数を30人に制限。問診票への記入、マスクの完全着用、手洗い・消毒の徹底、トレーニンググローブ着用の推奨などを利用客に求めた。
目黒区から車で来たという40代会社員の男性は「やってくれていて助かります。今、体動かしたい人はウズウズしてますよ」と話した。一方、地元・牛久市在住の50代男性は「他県から来てまで鍛えようとする気持ちは分かる」と筋トレ仲間の気持ちに理解を示しつつも「不安でなくはない」と複雑な胸中を吐露した。
神奈川県に隣接する御殿場静岡店など、他店舗の会員利用を不可にした店舗もある。
西村康稔経済再生担当相は11日、7都府県の知事らとテレビ電話で会談。その中で、県境をまたいでの人の移動による感染拡大への懸念を示し「改めて対策を取る」よう呼び掛けた。筋トレは一例にすぎないが、他にも若者を中心とした帰省や、別荘への避難など多くの事例が報告されているのも事実。歯止めの利かない人の動きをどう止めるかが、急務となりそうだ。
[ 2020年4月12日 05:30 ]
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2020/04/12/kiji/20200411s00042000395000c.html
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Source: 稼げるまとめ速報