「世界は中国に感謝すべき」武漢で習近平主席は、
「艱難辛苦を経てよい方向に向かっている、重要な成果を得た」としたうえで、
「カギとなる時期だ。緊張を緩めることなく頑張ろう」との趣旨を強調した。
そして、王忠林書記が「感恩教育」を180度方向転換したように、
「武漢市民の強さを世界に見せた。武漢市民は英雄。全党全人民はあなたがたに感動し、感謝している」と述べた。習近平主席の「武漢市民に感謝」という言葉は、武漢市民の不満、反発を和らげたいとの狙いだが、一方で「終息宣言」に向けて現場を引き締め、自身の指導力を強調する目的もある。
「終息宣言」に関連し、中国政府の専門家チームのリーダー・鍾南山氏は、
「4月末に基本的に抑え込める(のちに6月と修正)」とする見解を出しているが、「終息宣言」の裏に含まれる党中央の意識はどのようなものなのだろうか。
まず、習近平主席の武漢入り前の4日、『新華社通信』が「世界は中国に感謝すべき」と題して配信した記事から見てみよう。ここからは、習近平主席の取り巻きが「中国、習近平主席が世界から評価を受けよう」と考えている姿勢がうかがえる。
記事には、中国が新型コロナウイルスの発生源となって世界中に拡大した、という視点は全くない。
わかりやすく意訳すると以下の通りだ。
「米国で感染が拡大する状況の一方で、中国は米国人に対する出入国措置で米国経済に打撃を与えないよう配慮し、米国政府の対中国人入国措置にも報復しなかった。マスクについても米国に対し輸出禁止措置も執らなかった。しかし米国政府の一部は、ウイルス拡大は米国企業の米国内還流に役立つなどと言っている。米国は感染の受難国になろうとしているが、中国は米国とは違って井戸に落ちた者に石は投げない」
「中国は世界に謝るべきだ、との声があるが不条理だ。中国は巨大な犠牲を払い、巨大な経済損失を出し感染拡大の道を切断した。ここまで犠牲を払った国があろうか」
「感染が爆発した国は中国だが、感染源は中国であるとは限らない。ウイルスの感染源は他国である可能性を示す研究も多い。中国が謝罪する理由はない」
「世界は中国に対する感謝の声が欠けている。中国は巨大な犠牲を払い、世界がこのウイルス戦に対抗する時間を稼いだ」
まさに、武漢で示した「感恩教育」の考え方とそっくりで、こうした意識が党中央にあることが推測されるわけだが、SNSでは、
「世界に蔓延させて申し訳ないという気持ちなのに、世界に感謝しろとは恥ずかしい」
「マスクを送って助けてくれた日本にも感謝を要求するのか」
という声が多い(しかしこうした声はすぐに削除されている)。
さらに、習近平主席の「指導力」があったからこそ中国では「終息」したとの意識、宣伝もある。
習近平主席の求心力、権威を回復させる狙いで、主要メディアでは、習近平主席が武漢で、何が重要で何をすべきか、どういう意識で取り組むべきか、その心とは、などなど具体的に指示を出したと列挙している。全文はソースで
https://www.jiji.com/sp/v4?id=foresight_00301_202003160001
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Source: 稼げるまとめ速報