40以上の銀行が仮想通貨管理ビジネスに関心
今年1月1日から施行された新マネーロンダリング防止法の法整備を受け、ドイツでは、株式や債券などの証券と同様に、銀行が仮想通貨の管理サービスを提供することが可能になった。
ドイツの経済紙Handelsblattの報道によると、日本の金融庁にあたるドイツ連邦金融監督庁(BaFin)には40を超える銀行から、仮想通貨管理ビジネスの運営に対し関心表明が寄せられているという。
ドイツ連邦議会議員のFrank Schäffler氏は、このような関心の高さは、新法が寄与したものも大きいと次のように述べた。
「財務省が予測したよりも速く市場が成長している。。。仮想通貨管理ライセンスに対する高い需要は、企業がますますブロックチェーン技術を採用していることを示していると同時に、新しい法律の成果でもある。」
ドイツの独特な「AMLD5」対応
新マネーロンダリング防止法は、欧州連合の第5次マネーロンダリング防止指令(AMLD5)により、EU各国へ義務付けられた国内法制化のため、昨年11月29日にドイツで成立した法律で、2020年1月1日より発効となった。
ドイツでは、AMLD5への準拠を、単なる既存のマネーロンダリング法の改正ではなく、仮想通貨関連サービスを提供する企業を規制の対象とする絶好の機会と捉え、銀行法の変更を含めた広範なアプローチをとった。
ドイツ銀行法では、仮想通貨(暗号資産)を次のように定義している。
中央銀行あるいは公的機関によって発行または保証されていない価値のデジタル表現であり、通貨または金銭としての法的地位を持たないが、取引又は支払いの手段として、または投資目的のために、同意もしくは市場慣行に従って、任意の個人もしくは組織により受け入れられるものであり、電子的に送信、保存、取引が可能なもの
この定義にはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が含まれる。
銀行法に準拠するため、仮想通貨の保管(カストディ)サービスは、新たに金融サービスとして定義され、顧客にカストディサービス(仮想通貨ウォレットを含む)を提供する企業や取引所はBaFinの監督下に入り、ライセンス申請が必要となる。
ドイツ国外の企業も規制の対象に
ドイツ銀行法では、「ドイツでのサービスの提供」のために、企業が物理的にドイツに本拠をおいていることを必要としていない。 つまり、ドイツ国外から同国在住者向けにサービスを提供する事業者も、新法の下、同様の規制が課せられ、BaFinのライセンス要件の対象となる。
ただし、すでにカストディサービスの提供を行っている事業者に対しては、2020年11月末までの移行期間を規定している。 ライセンス取得の対象となる企業は、今年3月31日までにBaFinに、ライセンス取得の意図を伝えることで仮申請を行い、11月30日までに正式な申請書を提出することが条件となっている。
ライセンス申請を行った銀行の一つとして、ベルリンに本拠を置くソラリス銀行(Solarisbank)が挙げられている。 SBIホールディングスが出資する同行は、2018年から仮想通貨/ブロックチェーン企業向けに、銀行サービス「Blockchain Factory」を提供してきたが、昨年12月、仮想通貨のカストディサービスを提供する完全子会社、Solaris Digital Assetを設立し、いち早く、マネーロンダリング防止法の施行に備えたようだ。
銀行による仮想通貨管理サービス提供により、ドイツから仮想通貨普及の風は吹くのだろうか。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=132170
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Source: Ripple(リップル)仮想通貨情報局