国際医療福祉大学 高橋泰教授に聞く 新型コロナウイルス 「感染7段階モデル」提唱/暴露は国民の3割、98%はほぼ無症状―――7月以降、東京を中心にしたPCR陽性者の急増をどう見ますか。
高橋 無症状の陽性者が多い点で、7段階モデルの裏付けになると考える。重篤者や抗体陽性者が少ないという点に注目すべきだ。
PCR検査の陽性は、イコール、新型コロナ感染や発症ではない。PCR検査では、体内で自然免疫による処理されたウイルスの死骸にも陽性反応が出る。
こうした状態でPCR検査の陽性者全員を「感染者」として捕捉しても、適切な対策は講じられない。ゆえに、陽性者数に一喜一憂していても意味がない。7段階モデルで示した自然免疫による無症状割合や発症率、重篤化率などを精査すべきだ。
若年層を中心に、別のリスクファクターさえなければ発症する可能性も低く、大半は無症状・軽微な症状で治っている点を明らかにしていくべきだと考える。どんなに蔓延しても死亡者は3800人
―――当初は「日本国内でも数十万人が亡くなる」との推計もありました。
高橋 7段階モデルによる試算では、新型コロナウイルスによる死者は人口10万人対比で0.8人。
ウイルス変異などがなく推移すれば、どんなに蔓延しても10万人中3人以上、全人口比で約3800人を大幅に超える死者が出る確率は低い。誤解を恐れずに言えば、国内の自殺者数は景気の悪いときには全国で年間3万人を超えた事例がある。
10万人当たり24人だ。新型コロナ感染を過大に見積もり、経済活動の停滞が進めば、新型コロナで亡くなる人を防ぐためにより多くの犠牲が生じる恐れもある。
このジレンマを乗り越えるためにも、新型コロナ対策のメリットとデメリットを数値からしっかり提示し、バランスを考えることが重要だ。重ねて、PCR検査の陽性者数に一喜一憂しないこと。これはマスメディアを含めて一番重要な点だ。
特に30歳未満では重症者リスクが非常に低い。私個人の考えとしては、学校なども平常に戻すべきだと考えている。
インフルエンザによる学級閉鎖と同様、明らかな症状が複数の人に現れる集団感染が発生して初めて、学級閉鎖や自宅待機などを行えばよいのではないだろうか。―――重篤化の確率が高い高齢者などはどう対応すべきですか。
高橋 無論、新型コロナウイルスを過小に評価してもいけない。重ねて強調したいのは、何らかのリスクファクター、
疾患を有する人や高齢者ほど重症化リスクが高いという点は言うまでもなく、引き続き警戒すべきだ。その意味でも、若年層の市中暴露をやみくもに追いかける検査よりも、リスクの高い人たち、あるいは高齢者施設や医療機関の対策に重点を置くべきだと考える。
もう一点注視すべきなのは、ウイルスの遺伝子解析だ。従来型との変化――つまり感染力、毒性、死亡率などの変異は常に留意しなくてはいけない。
「木を見て森を見ず」。全体像を把握した上で対策を講じなければ、現状は打破できない。今回のモデル構築は、現時点で得られるわずかなデータからのシミュレーションだが、よりたくさんのデータが明らかになれば、モデル自体、さらに精緻化できるだろう。
また、この7段階モデルを通した議論が、現状の何を調べるべきか、どんなデータを集めるべきか、こうしたエビデンスベースの有効な新型コロナ対策を進める上での一助になって欲しいと願う。【プロフィール】高橋泰(たかはし たい)氏
略歴 金沢大学医学部卒、東大病院研修医、東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士(医療情報))、米国スタンフォード大学,ハーバード大学に留学後、1997年より国際医療福祉大学教授。
2018年4月より赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長に就任、大学院医学研究科医療福祉管理学分野教授を兼任する。
https://www.koureisha-jutaku.com/newspaper/synthesis/20200727_takahashi/
陽性者数が35,412人で死者数が1,011人だな。
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Source: 稼げるまとめ速報