しかし、これらのバブルは、いくつかの仮想通貨(暗号資産)以外は破綻しなかった。ビットコインでさえ、いまだ一定の価値を残している。
そのほかの資産市場のバブルは、バブルとしては僅かではあるが、むしろ膨らみを増した。私の悲観予想は外れたのである。
なぜ私の悲観予想は外れたのか。理由は一つだ。2020年に当たるからである。バブルはついに2020年崩壊する。なぜか。東京オリンピックが終わって株が下落するからではない。素人はオリンピック、オリンピックと騒ぐが、株とオリンピックは全くの無関係。
また、不動産は訪日観光客がらみの特殊なエリアが上昇したこともあったが、不動産はすでにピークアウトしている。
オリンピックまで、などと言っているのは無知の極みで、お祭り騒ぎが終わったときにはもう下落は進んでいるのである。しかし、日本人はいつからこんなに祭り好きになったのだろうか。
では、中央銀行、とりわけ日本銀行の量的緩和により国債バブルが極限まで膨らみ、ついに崩壊するのだろうか。それでもない。
確かに、もっとも膨らんでおり、異常であり、前代未聞であり、金融市場と実体経済に最も大きな打撃を与えるのは、国債バブルの崩壊である。
しかし、重大で巨大なバブルである一方、だからこそ、このバブルはしぶとい。なかなか崩壊しない。ヘッジファンドは日本国債の売り仕掛けをやめた
1990年代後半以降、海外のヘッジファンドは日本国債の暴落は必至とみて、空売りを何度も仕掛けてきた。
日本銀行がゼロ金利を採用した2000年以降、そして量的緩和の始まった2001年以降は、日本銀行自らが最大の買い手に回る日本国債バブルを膨らませてきたが、これに対してヘッジファンドは悲惨なまでに売り負けてきた。
返り討ちにあって、彼らは大きな損失を出して退散していった。彼らが、ポジションを清算し、買い戻しを余儀なくされ、日本国債はさらに値上がりしていった。
黒田東彦日銀総裁の異次元緩和という異常な緩和が始まってからは、彼らはついに学習し、一緒に買うことにした。バブルに乗ることにしたのである。
中央銀行が最後の買い手になっているバブル。これは崩壊しにくい。なぜなら、中央銀行は儲けるために買っているわけではないから、暴落懸念が出たときに売り逃げるどころか、その時こそ暴落を阻止するために買いまくるからである。
暴落懸念で売りが殺到することでしかバブルは崩壊しないのだから、これではバブルは永遠に崩壊しない。
崩壊するのは中央銀行がつぶれたとき、あるいは彼らの使命が変わった時で、日本国債よりも日本経済を守るべきであると気づいたときに、あるいはそう行動することが許されたときに、国債を買うのをやめる。
その時初めてバブルは崩壊するのだ。ふつうは、一国の中央銀行よりも世界中のトレーダーの方が強いのであるが、アメリカと日本、そして中国は例外である。
一方で、ソフトバンクグループの投資先の一つである、シェアオフィス大手のウィーワークの親会社、ウィーカンパニーの破綻の可能性が指摘されている。(中略)
バブルゲームは終わった
このバブルゲームが事実上ウィーワークで終わったのである。ウーバーはなんとか上場できた。こちらは上場もできなかった。残っているユニコーンはほとんどすべて衰退していくだろう。
少なくとも、赤字に見合った企業価値に評価が下がっていくだろう。そうなると誰も引き取る人はいないから、多くの企業、特に大きな未上場新興企業は行き詰っていくだろう。
このように、ソフトバンクグループの試練は、シリコンバレーの一部を困難な状況に追い込み、ウォールストリートの一部も巻き込まれるのではないか。
これが2020年のバブル崩壊だ。そうなれば、普通の株式市場も盛り上がることは難しいだろう。
だから、株式バブルはこれで終わる。不動産も同じだ。低金利で無理して投資している投資家も行き詰まるか、少なくとも苦境に陥るだろう。
実はソフトバンクグループは、まだアリババの含み益などがある。だから、バブル崩壊のきっかけはソフトバンクの周辺なのに、アメリカの中心の金融市場のバブルが崩壊するということがおこりうる。
なぜなら、ソフトバンクグループや他の買い手が積極的に買わなければ、彼らは参加したバブルゲームから、投資した資金の大半を諦めて、撤退しなければいけないからである。2020年、良いお年をお迎えください。
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Source: 稼げるまとめ速報