先日、2019年Dappマーケットレポートがリリースされました。54ページにおよぶレポートでは、昨年のDappにまつわる様々な数値や市場分析、主要なイベントなどを取り上げています。2020年のブロックチェーンアプリはこれからどのような道を辿るのでしょうか?また、どのブロックチェーンに注目すればよいでしょうか?
ここに、2020年にチェックすべき9つのブロックチェーンとその概要をまとめました。
イーサリアム
初のスマートコントラクトプラットフォームであるイーサリアムは、業界最新かつ先進的なアプリを生み出しています。2017年のICOブームから2018年のNFT、2019年のDeFiアプリの流行まで、ブロックチェーンとDappsの最先端を走り続けてきました。ほとんどのブロックチェーン関連のイノベーションはイーサリアム・エコシステムから生まれています。イーサリアムの価格は2017年から下落していますが、イーサリアム2.0のローンチによりガス代の削減やネットワーク混雑の解消、高パフォーマンスの実現が期待されており、ブロックチェーン業界で最も注目すべきものとなるでしょう。
EOS
2019年は、EOSエコシステムにとって大きな損失の年となりました。EOSBetやEOS Knights、Prospectorsなどの有望プロジェクトが他のブロックチェーンに移ってしまったのです。新しいDapps数やユーザー、ボリュームを含むほとんどのネットワークデータがTRON(EOSと同時期にプロジェクトをローンチ)を下回っています。また、EOSネットワークの混雑により、EIDOS稼働後にCPUの価格が100倍に膨れ上がりました。EIDOSの価格は下がりましたが、いまだにEOSトランザクションの85%を占めています。2019年の第4四半期には、EOSのデイリーアクティブユーザーは第3四半期から80%減少の1,500人となりました。2020年は、今までの流れを変えるVoiceとともに、EOSは再び返り咲くでしょう。
TRON
TRONは2019年最も活発なブロックチェーンとなりました。テザー流通額の約20%を占める9億テザーがTRON上で発行されていることや、SamsungやOperaとのパートナーシップで大きな成果をあげており、世界最大の分散型ライブストリーミングプラットフォームであるPoloniexやDLiveの投資・買収も行なっています。更には、SteemitやDtubeのような影響力のあるDappsによる収益も見込まれています。TRONは、まるで大企業のように投資と買収を繰り返して成長してきましたが、これは2020年そしてその後も持続可能なのでしょうか?TRONには引き続き注目です。
Wax
Waxはパートナーシップを通して、最多アクティブユーザー数を誇るProspectorsや、最大のギャンブルプラットフォーム・EOSBet、モバイルソーシャルアプリのKarmaなど、多くのEOSプロジェクトを取り込んできました。Steem上で最も活発なブロックチェーンゲームであるSplinterlandsも、世界最大のNFT市場とともにWaxへ移行しました。登録手続きのプロセスを簡易化したクラウドウォレット・WCWは、ローンチから1ヶ月で400,000を超えるメインネットアカウント登録数を記録しました。また、世界最大のゲームアセット交換プラットフォームであるOpskinsもWaxに乗り換えを始めています。Waxは2020年、ゲーム業界における最大のブロックチェーンとなるのでしょうか?
Terra
2019年、ブロックチェーン業界で最も知られたモデルは「パブリックチェーン+ステーブルコイン」という形でした。そうです、Facebookのリブラや中国人民銀行の中央銀行デジタル通貨のことです。しかし、既に最先端を走っていたグローバルブロックチェーン決済ネットワーク・Terraも忘れてはいけません。統計によると、Terraベースのモバイル決済プラットフォーム・CHAIのオンチェーンユーザー数は500,000を超え、毎日100万ドルを超える決済を記録しています。Terraはアジア全体のビジネスアレンジを体系化し、金融サービスを増やすと公表しています。2020年、Terraは競争率の激しいステーブルコイン業界から一歩抜け出せるのでしょうか?
Cosmos
上記の多くのブロックチェーンプラットフォームと異なり、Cosmosの核となるTendermintでは、Dappsの代わりにカスタムブロックチェーンを構築することができます。Binance ChainやLino (過去3ヵ月でDLiveの410,000を超えるオンチェーンユーザー数を記録した分散型コンテンツ共有プラットフォーム)、Terra (ブロックチェーン決済ネットワーク) をはじめとして、Cosmosは既に強固なエコシステムをいくつも打ち立てており、これらのプロジェクトはCosmosブロックチェーンのスケーラビリティと有用性を証明しています。Cosmosのビジョンである「ブロックチェーンのインターネット」が実現されることを期待しましょう。
Blockstack
分散型コンピューティングネットワークとして、Blockstackはユーザーのデータ・ID管理に役立っています。昨年、Blockstackは驚異的な成長を遂げました。アメリカ初となる米証券取引委員会公認のトークンセールを行い、レギュレーションA+において2000万ドルを調達しました。また、2019年末にはDapps数も300までに増え、100万ユーザーを記録しました。Blockstackはデジタル領域での自由やプライバシーだけでなく、我々の生活に寄り添うDappエコシステムの有用性をもたらしてくれます。2020年はBlockstackにとって、Stacks 2.0やIPOがローンチされる年となるのでしょうか?必見です。
Link
ソーシャルメディアの雄であるLineは20世紀最大のソーシャルアプリとなり、1億9400万ユーザー(1億6400万マンスリーアクティブユーザー)を抱えています。Link Networkは、そのLineによって開発されたブロックチェーンプラットフォームです。Lineは既に日本で仮想通貨交換業ライセンスを取得しており、ユーザーはBitbox取引所からLinkを含む仮想通貨を直接購入することができます。今年、これらの規制対応と2億人のユーザーが融合することで登場するであろう、数多くのブロックチェーンアプリに注目です。
Klaytn
Klaytnは、韓国で人気を博しているソーシャルアプリ・カカオが開発したブロックチェーンプロジェクトで、5000万人に向けてブロックチェーン利用を提供しています。規制は曖昧なものの、仮想通貨交換市場トップ5の韓国はKlaytnに大きな期待を示しています。ただ、カカオグループからの支援を受けているものの、規制当局からのプレッシャーがあるのも事実です。既に多くのアプリがKlaytn上で開発されていますが、2020年はこれらのアプリでKlay (Klaytnのトークン) の流通と有用性が見られるのでしょうか?
参考資料:https://coinpost.jp/?post_type=column&p=132167
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Source: Ripple(リップル)仮想通貨情報局