非代替性トークン（NFT）は大きな逆風があったものの、2024年を通じてWeb3空間の重要な要素として残り続けた。業界の専門家や評論家はNFTの実用性が損なわれていないとし、復活への楽観的な見方を示している。
メディアは時折「NFTは終わった」と宣言することもあるが、保有者は取引を続けており、データトラッカーのクリプトスラムによれば、NFTは今年約85億ドルの販売高を記録している。
販売高は過去数年と比べて減少しているが、購入者数は2023年の460万人から2024年には750万人に62%増加した。これは、NFTのピークと広く見なされた2022年の540万人を37%上回る数字だ。販売高は減少しているものの、資産クラスへの需要は依然として増加しているようだ。
NFT保有者は今年、7か月にわたる下落トレンドや主要プロジェクトの撤退、米証券取引委員会（SEC）からのウェルズ通知の送付など、数々の打撃を受けた。
NFTプロジェクトは多くの逆風に直面
今年1月、SNSプラットフォームのXは、有料会員がNFTをプロフィール写真にリンクできるようにする機能を終了した。あるコミュニティメンバーはこれを「NFTの底」と呼び、別のメンバーは「業界にとって打撃だ」と語った。
NFT機能の削除を疑問視する声もあり、あるコミュニティメンバーはNFTプロフィール写真がユーザーが対話している相手が実在することを確認する手段を提供していたと語った。
同じ1月に、ビデオゲーム小売業者のゲームストップは、米国における規制の不明確さを理由にNFTマーケットプレイスを閉鎖すると発表した。
米国のギャンブル会社ドラフトキングスも7月に同様の動きを見せ、レインメーカーズコレクションとマーケットプレイスを含むNFT事業から撤退した。同社は撤退の理由を「法的な展開」と説明した。
さらに、レイヤー2ブロックチェーンのイミュータブルと仮想通貨取引所クラーケンは、それぞれ8月と11月にNFTマーケットプレイスを縮小した。
12月には、ナイキが所有するNFTプロジェクトRTFKTが2025年1月に事業を終了することを発表した。
SECがNFT関連企業にウェルズ通知を送付
2024年、SECはNFTに対する規制を強化した。
8月28日、NFT取引プラットフォーム「オープンシー」のデビン・フィンザーCEOは、SECがオープンシーにウェルズ通知を送ってきたことを明らかにした。
ウェルズ通知は、SECがある企業に対して法執行措置を検討していることを正式に通知するものだ。この通知は、SECが調査を完了し、証券法違反の可能性がある証拠を発見したことを示している。
フィンザー氏は、SECがオープンシーのNFTを未登録証券と見なしていると主張した。同氏は、オープンシーがSECからの法執行措置に対抗する準備ができていると述べ、SECがNFTをターゲットにすることは「イノベーションを抑制する」とし、アーティストやクリエイターを危険にさらすと語った。
12月16日には、NFTプラットフォームのサイバーコングズがSECからウェルズ通知を受け取った。サイバーコングズのチームは、この問題が2021年に販売されたジェネシスコングズNFTに起因すると述べた。
同プロジェクトによれば、SECは、トークンがブロックチェーンゲームで使用されるには証券として登録されなければならないと主張した。サイバーコングズは、SECの立場がブロックチェーンゲームに広範な影響を及ぼす可能性があるとし、告発に対抗する姿勢を示した。
NFTは2024年に7か月低迷
NFTの売上高は2024年の広範な課題を反映していた。3月には、イーサリアム、ビットコイン、ソラナ上のNFTに支えられ、月間売上高が16億ドルに達したが、市場は徐々に縮小し、9月には2021年以来初めて月間売上高が3億ドルを下回った。
NFTの総取引数も、8月の730万件から9月には490万件に減少した。その後、NFTは10月に反転し、販売高が約3億5600万ドルに増加した。10月には、ソラナベースのNFTは累計販売高で60億ドルのマイルストーンを達成した。
11月にはさらに強力なパフォーマンスが続き、NFTは月間売上高が6か月ぶりの最高値となる5億6200万ドルを記録した。年後半のNFTの復活は、再びイーサリアム、ビットコイン、ソラナ上のコレクションによって牽引された。
2025年のNFTは？
一部の人々はNFTを諦めたかもしれないが、この分野で働く専門家たちはその復活の可能性に言及している。
RARIファウンデーションの戦略責任者であるジャナ・バートラム氏は、コインテレグラフのポッドキャスト「ハッシング・イット・アウト」のエピソードで、NFTは異なる形で復活する可能性があると語った。
バートラム氏は取引量が減少していることを認めながらも、NFT技術は依然として価値があると主張した。同氏は、NFTがデジタルアートやコレクティブルの枠を超えて、身分証明、所有権記録、医療文書などの実用的な用途に拡大する可能性があると考えている。
OKXのグローバルチーフコマーシャルオフィサーであるレニックス・ライ氏は、ビットコインNFTが新たな成長段階に入っていると語った。同氏は、取引データが復活を反映しており、10月から11月にかけてビットコイン・オーディナルの取引量が55%増加したと述べた。
「JVRNという最初のビットコインバックのジュエリーブランドがオーディナルコレクションを立ち上げるなど、採用の兆しが見られる。他のアーティストも彼らの作品を世界初のブロックチェーンに刻むことを選んでいる」とライ氏は語った。
ライ氏はまた、クリエイターがビットコイン上でコレクションを立ち上げ、取引できるようにするオーディナルランチパッドを立ち上げることを共有した。「これらの基盤が整い、より広範な市場の追い風があることで、ビットコインNFTの動きはまだ初期段階にあり、今後大きな成長の可能性があると考えている」とライ氏は述べた。
一方、アニモカブランズのヤット・シウ会長は、NFTは2021年や2022年よりもさらに大きくなるだろうとコインテレグラフに語った。彼は、仮想通貨市場が成長するにつれて、Web3空間内のすべてのコンポーネントがそれに続くと主張した。
「スタンダードチャータードは、2026年までに仮想通貨市場が10兆ドルになる可能性があると予測している。それが本当なら、すべてが上昇するだろう。つまり、NFTは現在の市場取引高で、月に数十億ドルを超えると思う」と語った。
シウ氏はまた、より多くの人々がビットコイン（BTC）に参入するにつれて、NFTとその実用性を発見するだろうと予想する。彼は、ビットコインが価値の保存手段として貴重である一方で、NFTはWeb3ゲームにおいてサービスを提供すると語った。「NFTは上昇するでしょう。そしてもちろん、それを取り巻くトークンエコシステムも上昇するだろう」と付け加えた。
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Source: Ripple(リップル）仮想通貨情報局