2020年9月に世界最大の取引所バイナンスによる新しいブロックチェーン「Binance Smart Chain」がローンチしました。
Binance Smart Chain上の主要なDeFiプロジェクト
Binnace Smart Chainにはイーサリアム(Ethereum)のAMM、マネーマーケット、アグリゲータ等、主要なカテゴリにそれぞれ対応するアプリケーションが存在します。いずれもイーサリアムDeFiアプリケーションを大きく参考にしたものがあり、フォークして開発されたものもあります。
代表的な5つのプロジェクト
2020年12月時点でTVL(コントラクトにロックされている資金量)の多い順に5つを簡易的に紹介します。
Venus(ヴィーナス)
公式サイト:https://venus.io/
トークンの貸借取引ができるマネーマーケットです。トークンを流動性提供して金利を受け取ることもできますし、流動性提供したトークンを担保にして他の資産の借り入れをすることもできます。
イーサリアム上のコンパウンド(Compound)と主要な機能では変わりませんが、異なる点としてVenusは担保資産を元に独自のステーブルコインを生成できます。これはMakerDAOのDAIの仕組みと似ており、VenusはCompoundとMakerDAOの機能をあわせたようなプロジェクトであると言えます。
Pancake Swap(パンケーキスワップ)
公式サイト:https://pancakeswap.finance/
ユニスワップ(Uniswap)を真似て開発されたAMM型のDEX(分散型取引所)です。特定のペアで流動性提供をするとPancakeトークンが付与されるイールドファーミングを実施しています。
ForTube(フォーチュー)
公式サイト:https://for.tube/home
ForTubeはトークンの貸借取引ができるマネーマーケットです。基本的な機能はCompoundと同様です。
Cream(クリーム)
公式サイト:https://cream.finance/
こちらもトークンの貸借取引ができるマネーマーケットです。基本的な設計はCompoundと機能です。Creamの特徴は元々はイーサリアム上でプロジェクトを展開していて、その後にBinance Smart Chainでもローンチした点です。
イーサリアム上のプロトコルを停止したわけではなく、同じコードベースでイーサリアムとBinance Smart Chain、2つのブロックチェーン上で運営しています。
それぞれのブロックチェーン上の市場は独立していますが、ガバナンストークンは同様のトークンが使われ、CREAMトークンの議決権はイーサリアムとBinance Smart Chainいずれでも適用されます。
Qian Protocol(キアンプロトコル)
公式サイト:https://bsc.qian.finance/home
Qian Protocolはトークンをスマートコントラクトに差し入れしてステーブルコインを生成できるプロトコルです。MakerDAOのフォークです。こちらもCREAMと同様にイーサリアムとBinance Smart Chainの2つのブロックチェーンで展開されています。MakerDAOと異なる点はバイナンスが担保にしたさまざまなアセットがあるので、担保資産が豊富な点です。
まとめ
解説したようにBinance Smart Chain上のほとんどのプロジェクトはイーサリアム上のプロジェクトのコピーであり、エコシステムにオリジナリティはありません。これはBinance Smart Chain自体がイーサリアムをベースにしたものであり、アプリケーションの移植が容易であるためですが、エコシステムとしての強さには欠けると言わざるを得ないでしょう。
今後どのようなアプリケーションが登場するかに注目です。
参考資料:https://coinchoice.net/binance-smart-chain-5-projects/
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